なんて失礼な日本人と言われないように...
日本人で英語を習得した人たちの文法力、語彙力はすごい。どうしてそんな難しい単語を知っているの?と思うような言葉を理解し、話している。
ただ、そういう人たちの英語を聞いていると、時々、ひっくり返ってしまうような出来事に出会うことがある。
これはある国際的な金融関係の会議に制作サポートとして入っていた時の話です。
出席者は95%外国人で、それぞれが投資枠を1000億の単位で持っているようなディーラーに対するラウンドテーブルでの出来事。
ある日本の省庁の課長クラスの人が、プレゼンを始めたその時、耳を疑ってしまった。
完璧な英語で「私のような者が作ったつたないプレゼンで、皆様のお耳を汚すのは皆様にとって無駄な時間となりますので、私のプレゼンはチャチャっと済ませますので...」と言った趣旨のことを言い始めた。(私には未だに上記のような内容の英語を話すことは英語力がなさ過ぎてできない...)
「おいおい、そんなつたないプレゼンだったら、ちゃんとしたプレゼンを持って来いよ」とそこに出席していた全員が思ったに違いない。
海外では、プレゼンを聞くのは、何らかのプラスの要素を吸収するためだ。だからこそ、プレゼンする方もプレゼンを聞く側が満足いく内容になるまで、何度も中身を推敲して作り上げてくる。
「ふぅ〜、つたないプレゼンだったら、作り直して、つたあるプレゼンにして持って来なさい!」と言いたくなったのと同時に、政府のこのクラスの人たちが...と思ったとたん、めまいがしてきた。
日本では謙遜は美徳とされているが、下手にこれをやると「なんて失礼な!」になってしまいます。謙遜は美です。ただそれが通用しない土俵に乗った時は、その土俵に適した作法に従うことが、ある意味の賢さであり、謙虚さではないでしょうか。
「なんて失礼な日本」と言われないようにしたいですね。
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