腑に落ちる瞬間とは パート2
前回、腑に落ちるというのはどういう瞬間かという話をしましたが、ではその脳にうまく計算をし終わらせるためにはどうしたらいいのでしょうか?
という問いを出されたとき、逆の発想をしてみたらどうでしょうか?
なぜ、脳にうまくアクセスして計算をさせることができないのか。
答えは2通りあるのではないかと思います。
1つ目は、脳の中に提示された方程式に関する知識がないというケースです。
小学生にいくら因数分解の式を提示したところで、彼らにはそれが方程式であることすらわかりません。どんなに便利なものでも、その意味を解さない限り、猫に小判です。
それよりは、その子のレベルに合わせて、その子達が理解できる加減乗除の世界での言葉に置き換えるという作業を行った方が利口です。
ところが、多くの人が相手の知識レベルを確認もせずに、自分の世界観で物事を推し進めます。
そして、嘆くのです。相手に話が通じない...と。
相手がどのレベルの知識を持っているのかを見極める(「観る」という行為は必要です)のは、相手を腑に落ちさせるためには必要なことだと思います。
そして、2つ目は、相手のRASが強力に働いている可能性を考えることです。
RASは本人にとって必要だと思う情報以外はスルーまたは拒絶します。
そして、問題はスルーされているケースです。
拒絶されている場合は、まだわかりやすいのですが、スルーされている場合は、感覚としては理解されている、許容されているという感覚と似ているため、相手が腑に落ちているのかどうかわかりにくく、奇妙な感覚だけが残ります。
この場合は、厄介です。
特にそれが本人にとっての自己防衛になっているような場合、相手のゴールの設定をし直すところから始めなければなりません。
本人にゴールがなければ、脳は計算を始めないのです。しかも臨場感の高いゴールです。
臨場感が伴わなければ、脳はふりをするだけです。そして何も変わらないのです。
相手がどのような状況にいるのか。
それを見極めることが、腑に落ちる瞬間を作るための1つの方法だと思います。
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