2014年11月アーカイブ
グローバル化が進むことによって、どんなリスクが起こり得るのか
( 2014年11月11日 00:00 )2014年6月、晴れて内閣府認証NPOのリスク診断士®資格を取得することができたのですが、その学習過程はとてもためになるものでした。
なぜかというと、社会人になってから現在までの間、仕事を通じて経験してきたことや感じてきたことをリスクという視点から整理することができたからです。
ところが、勉強していて、ふと気が付いたのが、これだけ世間で「グローバル化、グローバル化」と叫ばれているのに、リスクの対象概念が日本国内におけるものだけになっているということでした。
なぜ、そのようなことが起きてしまうのかということを考えてみたのですが、導き出された解答は、日本では「グローバル化=日本から海外に出ていく」ことを意味しているからではないかということでした。
「さぁ、皆さん、グローバル化について考えましょう!」と言われたとき、多くの人が、「僕は、私は英語が話せないから関係ないや。海外に行かされることもないから」と無意識のうちに思っています。
でも、本当にそうなんでしょうか?
グローバル化は帰国子女や英語を話すことができる人にだけ関係した話で、日本国内にいれば関係のない話なのでしょうか?
政府がこの5年で、海外からの労働人口を10万人単位で増やそうとしているのをご存知でしょうか?
その理由を理解されているでしょうか?
日本の労働人口が全く足りなくなっているからです。
今やコンビニの店員は8割以上が外国から来ている人です。居酒屋しかりです。
多くの人が期待している2020年のオリンピックの開催に関しても労働人口に関する問題は深刻になっています。
先日、安藤忠雄さんの講演を聞きましたが、今のままでは現在想定されている建築物を予定内に完成させることは非常に難しいそうです。
そのためにも、政府は海外からの労働人口を大量に国内に入れないといけないという状況を余儀なくされています。
そして、この流れは当初はブルーからから始まりますが、徐々にホワイトカラーにも広がっていきます。
なぜなら、語学ができるほうが諸外国とのビジネスにおいてメリットが大きいからです。
ふと気が付いた時、自分の横に海外出身の同僚が座っているという状況がこの数年で現実のものになるのです。
その時、本当にグローバル化は僕に、私に関係ないと言っていられるのでしょうか?
そして、日本国内だけで想定されていたリスク対策だけで、これらの現状を乗り切れるのでしょうか?
日本の当り前は世界の非常識です。
日本に来たんだから、日本の郷に従えは効かない時代が来るのです。
つまり、雇用した人の出身国の数だけ、社内で想定されるリスクの幅は広くなるのです。
そして、これらの現象に関して、彼らには悪気はないのです。なぜなら、その国では普通だからです。
(海外の目から見たら「不思議ちゃん日本人」です。でも、これは私たちのせいではないのと同じです)
想定したことのないことが起こり得ることは想定しておかなければいけないと思います。
日本人だけ、日本国内だけ対応しておけばいいという話は既に過去の話なのです。
既に黒船は来襲していて、そのことに私たちは気が付かなければならないのです。
客観的に事実をとらえ、現象の発生原因を把握し、きちんとした対応をしておくことがリスクをマネジメントする上で必要となってきます。
相手が外国人だからしょうがない、では、本人のマネジメント能力が問われる時代が来ています。
次回は、これらの事象に関しても、もう少し具体的な話をしていきたいと思います。
【関連文献】
「君は、世界がうらやむ武器を持っている」 田村耕太郎 著
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「君に、世界との戦い方を教えよう「グローバルの覇者を目指す教育」の最前線から」
田村耕太郎著
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